小学校に通わせる子供をお持ちでプログラミング教育が何年生から始まるのか知りたい、小学校のプログラミング授業で何を学ぶのか知りたい方へ
文部科学省の小学校プログラミング教育の手引きにそって、小学校のプログラミング教育に関する情報をわかりやすく説明します。
目次
1.小学校でプログラミング教育が必修化
小学校では、2020年からプログラミングが必修化されました。
中学校では、1年遅い2021年から技術・家庭科の科目内のプログラミングに関する内容を充実させます。
2.小学校プログラミング教育は何年生から何をやるの?
文部科学省・総務省・経済産業省が中心となって運営している「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」では、3年生から6年生までのプログラミング学習が紹介されています。
- タイトル:私たちの生活を支える郵便局の仕事
- 対象学年:3年生
- 教材タイプ:Scrach
- 環境:ノートパソコン
- 対象教科:総合的な学習の時間
- タイトル:スポーツとデータ分析。地域スポーツチームを応援しよう
- 対象学年:4年生
- 教材タイプ:Scrach
- 環境:ノートパソコン
- 対象教科:総合的な学習の時間
- タイトル:正多角形をプログラムを使ってかこう(杉並区立西田小学校)
- 対象学年:5年生
- 教材タイプ:Scrach
- 環境:ノートパソコン
- 対象教科:算数
- タイトル:電気を無駄なく使うにはどうしたらよいかを考えよう(三鷹市立北野小学校)
- 対象学年:6年生
- 教材タイプ:レゴ® WeDo 2.0
- 環境:iPad
- 対象教科:理科
3.プログラミング言語は何を使うの?
学習事例として紹介したなかに、Scrachと記載されたものは、ビジュアル言語といわれるプログラミング言語です。
プログラミング言語をビジュアル化したことで、小学生でもわかるようになっています。
また、プログラミングの基礎である構文もブロック化されたことで自然に身につくようになりました。
とてもよくできたプログラミング教材であり、教育としても大変有効な教材と言えます。
Scrachについて詳しく知りたい方はかきの記事をご覧ください。
4.プログラミング教育必修化の誤解
【誤解その①】 プログラミングという科目が作られるわけではない
【誤解その②】 プログラミング教育必修化はプログラマー育成が目的ではない
【誤解その③】 プログラミング教育に使うパソコンやタブレットは学校で用意
算数や理科などの既存科目を学習する手段としてプログラミング教育を学ぶため、プログラミングという科目が作られるわけではありません。
そのため、教科書もなければ、試験で評価されることもありません。
・算数の授業では、数量、図形問題、表やグラフの表現でプログラミングを活用する
・理科の授業では、観察、実験でプログラミングを活用する
・情報に関する授業では、実際にプログラミングを学ぶ
学校の方針によりますが、上記3つの教科でプログラミング学習するというよりは、どれか一つの教科で学ぶイメージかもしれません。
小学校や中学校で行われるプログラミング教育は、プログラマーの養成を目的としている訳ではありません。
そのため、いつからプログラミング学習をスタートすべきかという問題を考える際にも、将来の職業などを強く意識する必要はありません。
学校次第ではありますが、すでにあるパソコン室を使ったり、新しくパソコンやタブレットなどのICT機器を導入するためパソコンやタブレット各家庭で用意する必要はありません。
5.プログラミング教育が必修化の背景
今日、コンピュータは人々の生活の様々な場面で活用されています。
家電や自動車をはじめ身近なものの多くにもコンピュータが内蔵され、人々の生活を便利で豊かなものにしています。
誰にとっても、学校での学習や生涯学習、家庭生活や余暇生活など、あらゆる活動において、コンピュータなどの情報機器やサービスとそれによってもたらされる情報とを適切に選択・活用して問題を解決していくことが不可欠な社会が到来しつつあります。
コンピュータをより適切、効果的に活用していくためには、その仕組みを知ることが重要です。
コンピュータは人が命令を与えることによって動作します。
端的に言えば、この命令が「プログラム」であり、命令を与えることが「プログラミング」です。
プログラミングによって、コンピュータに自分が求める動作をさせることができるとともに、コンピュータの仕組みの一端をうかがい知ることができるので、コンピュータが「魔法の箱」ではなくなり、より主体的に活用することにつながります。
プログラミング教育は子供たちの可能性を広げることにもつながります。
プログラミングの能力を開花させ、創造力を発揮して、起業する若者や特許
を取得する子供も現れています。子供が秘めている可能性を発掘し、将来の
社会で活躍できるきっかけとなることも期待できるのです。
このように、コンピュータを理解し上手に活用していく力を身に付けることは、
あらゆる活動においてコンピュータ等を活用することが求められるこれからの社会を生きていく子供たちにとって、将来どのような職業に就くとしても、極めて重要なこととなっています。
諸外国においても、初等教育の段階からプログラミング教育を導入する動きが見られます。
こうしたことから、このたびの学習指導要領改訂において、小・中・高等学校を通じてプログラミング教育を充実することとし、2020 年度から小学校においてもプログラミング教育を導入することとなりました
6.プログラミング教育の必修化の目的
文部科学省の小学校プログラミング教育の手引きに記載された目的は3つあります。
①「プログラミング的思考」を育む
②プログラムの働きやよさ、情報社会がコンピュータをはじめとする情報技術によって支えられていることなどに気付く
③各教科等の内容を指導する中で実施する場合には、教科等での学びをより確実なものとする
「プログラミング的思考」とは、
自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、より意図した活動につかづくのか、といったことを論理的に考えていく力のことです
学習指導要領にはプログラミング言語を使ってプログラマーを養成するとは記載されていません。
あくまで情報社会の理解とプログラミング的思考(論理的思考)を身につけることが目的となっています。
7.保護者が準備するものはあるか?
プログラミング教育にともなって保護者が用意するものはありません。必要なものは全て学校が用意しますので安心してください。
8.プログラミング教育が大学入試に!
政府は2018年5月17日に開いた未来投資会議で、2024年の大学入試試験にもプログラミングなどの情報科目を導入する方針を確認しました。
未来投資会議の議長を務める安倍首相は、「AIやビッグデータなどのIT、情報処理の素養はこれからの時代の『読み書きそろばん』」だと述べています
これは、文理系問わずに情報教育の基礎を習得させることで「第4次産業革命」の牽引役となる国内のAI人材の底上げを狙うものです。
9.プログラミングは子供の将来の準備
プログラミング的思考を身につけることで、論理的に物事を組み立てることができるようになるだけでなく、物事の本質を捉えることができるようになるので、
社会に出た時に素晴らしい武器になる。
10.低年齢、低学年からプログラミング学習をするにはプログラミング教室がおすすめ
中学・高校になればなるほどなかなか興味を持ちにくくなるうえ遊びや部活で忙しくなるそのため、小学生のうちから遊びながら身につけられるように環境を整えておくことが大事です。
幼児や小学校低学年の子供がプログラミング学習をするには、家庭でプログラミング学習ツールを利用して学ぶか、プログラミング教室に通うかのいずれかの方法が考えられます。
家庭教育はコストが抑えられますし、子供が自分のペースで学習を進められるメリットがあります。最近は、オンラインで学べるツールも充実しています。しかし、興味関心やスキルに合うツールが見つからなかったり、教えてくれる人が身近にいなくて長続きしなかったりする場合もあるでしょう。
プログラミング教師に通えば、スキルや興味に合わせて効果的な学習を行うことができます。また、さまざまなツールの中から子供のレベルややりたいことにあったものを選ぶことができます。スケジュールや費用の都合がつけば、プログラミング教室に通われることをおすすめします。